茨城ロボッツとは?

茨城ロボッツは、日本の男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE(Bリーグ)」に所属するプロバスケットボールチームです。茨城県水戸市をホームタウンとし、主にアダストリアみとアリーナをホームアリーナとして活動しています。地域密着型の運営を掲げ、バスケットボールを通じて茨城県の活性化に貢献することを目指しています。チームカラーはロボッツブルーで、未来と情熱、そして茨城の豊かな自然を表しています。2021-22シーズンにB1リーグへ昇格し、現在もB1リーグでの戦いを続けている、茨城県唯一のプロバスケットボールチームです。

茨城ロボッツの歴史と歩み

茨城ロボッツの歴史は、その前身となるチームから始まります。地域に根差したプロクラブとしての確立までには、幾度かの変遷と挑戦がありました。

前身:TGI D-RISE時代

茨城ロボッツのルーツは、2007年に日立製作所の子会社である株式会社日立製作所水戸事業所に設立されたバスケットボールチーム「日立電線ブルドッグス」に遡ります。このチームは、2010年に「TGI D-RISE(ディーライズ)」と名称を変更し、JBL2(日本バスケットボールリーグ2部)に参戦しました。TGI D-RISEは、プロ化を目指すチームとして、バスケットボールの普及と地域貢献活動にも力を入れ、茨城県内におけるバスケットボール熱を高める土壌を築きました。

日立製作所グループからの経営分離という大きな転換期を経て、2013年にはTGI D-RISEを運営していたTGIスポーツ合同会社が、日立電線株式会社から事業譲渡を受け、クラブチームとして独立。この段階で、将来的なBリーグ参入を見据えたプロクラブとしての基盤が固められ始めました。

茨城ロボッツ誕生からB.LEAGUE参入まで

2018年、TGI D-RISEの運営を引き継ぐ形で「株式会社いばらきスポーツタウン・マネジメント」が設立され、チーム名を「サイバーダイン茨城ロボッツ」と改称。この時、現在の「茨城ロボッツ」としてのアイデンティティが確立されました。社名の「サイバーダイン」は、つくば市に本社を置くロボットスーツHAL®を開発・製造する企業、CYBERDYNE株式会社が冠スポンサーとなったことによるものです。

Bリーグが発足した2016-17シーズンにはB3リーグ(3部リーグ)からのスタートとなりました。しかし、チームは着実に力をつけ、2017-18シーズンにはB3リーグを優勝し、B2リーグ(2部リーグ)への昇格を果たします。

B2リーグでの戦いは容易ではありませんでしたが、チームは強化を続け、2020-21シーズンにはB2リーグで好成績を収め、念願のB1リーグへの昇格を決めました。このB1昇格は、茨城県のバスケットボール界にとって歴史的な快挙であり、地域に大きな喜びと活気をもたらしました。

B1リーグでの挑戦

2021-22シーズン、茨城ロボッツは初めてB1リーグの舞台に立ちました。日本最高峰のリーグでの戦いは、これまで以上に厳しいものでしたが、チームは一丸となって戦い、苦しい状況を乗り越えてB1残留を果たします。この経験は、チームをさらに強く成長させる糧となりました。

B1リーグでの戦いを継続する中で、茨城ロボッツは常に上位進出を目指し、チーム強化に努めています。外国人選手と日本人選手の融合、若手選手の育成、そして経験豊富なベテラン選手のリーダーシップが、チームの強みとなっています。毎シーズン、新たな挑戦と成長を続け、B1リーグにおける存在感を高めています。

チームの特色と理念

茨城ロボッツは、単なるプロバスケットボールチームにとどまらず、地域社会との共生を深く追求する独特の理念と文化を持っています。

「MAKE THE FUTURE. いばらきの未来を創る。」

茨城ロボッツのミッションステートメントは「MAKE THE FUTURE. いばらきの未来を創る。」です。この言葉は、バスケットボールを通じて茨城県の未来を創造し、地域社会に貢献するという強い意志を表しています。具体的には、以下の目標を掲げています。

このミッションに基づき、選手やスタッフは地域イベントへの参加、学校訪問、清掃活動など、多岐にわたる地域貢献活動に積極的に取り組んでいます。これにより、チームと地域住民との間に強固な絆が築かれています。

ホームアリーナと地域との連携

茨城ロボッツのメインアリーナは、水戸市にある「アダストリアみとアリーナ」です。最新設備を備えたこのアリーナは、B1リーグの試合にふさわしい素晴らしい環境を提供し、多くのブースター(ファン)を魅了しています。また、つくば市など県内各地の体育館でも試合を開催することで、茨城県全域でのホームタウン活動を展開しています。

チームは、自治体や教育機関、地元企業と密接に連携し、スポーツ振興だけでなく、健康増進や青少年の育成、観光振興など、様々な分野で地域貢献活動を行っています。例えば、地元企業とのパートナーシップを通じて、地域の特産品を応援する企画や、ファン参加型のイベントなども積極的に実施しています。

選手育成とチーム文化

茨城ロボッツは、日本人選手の育成にも力を入れています。Bリーグのトップレベルで戦いながらも、若手選手に多くの出場機会を与え、成長を促す環境を整えています。また、経験豊富なベテラン選手がチームをまとめ、若手の手本となることで、チーム全体のレベルアップを図っています。

チームのプレースタイルは、スピーディーな展開と粘り強いディフェンスを基盤とし、全員でボールをシェアするチームバスケットボールを目指しています。特に、ホームゲームではブースターの大声援を背に、アグレッシブなプレーで会場を盛り上げます。「粘り強く、諦めない」という精神は、ロボッツのチーム文化の根幹をなすものです。

ロボッツのファン文化

茨城ロボッツの試合会場には、熱心なブースターたちが集います。ロボッツブルーに染まったスタンドからは、選手たちを後押しする力強い声援や拍手が常に送られます。クラブは、ブースターとの距離を縮めるためのイベントや企画を多数実施しており、選手とブースターが一体となってチームを盛り上げる文化が醸成されています。

特に、勝利試合後には選手たちがブースターと勝利を分かち合う時間が設けられ、会場全体が一体感に包まれる瞬間は、茨城ロボッツならではの魅力の一つです。ブースターは、チームにとってかけがえのない存在であり、ロボッツの躍進を支える大きな原動力となっています。

ロボッツの未来と展望

茨城ロボッツは、B1リーグでの定着を目指し、さらなる高みへと挑戦を続けています。その未来には、多くの可能性と期待が寄せられています。

B1定着と上位進出への課題

B1リーグで安定した成績を残し、チャンピオンシップ出場を果たすことは、チームにとって喫緊の目標です。そのためには、継続的なチーム強化が不可欠です。

これらの課題をクリアし、持続的に成長していくことで、茨城ロボッツはB1リーグの強豪クラブとしての地位を確立し、チャンピオンシップ制覇を目指すことができるでしょう。

新アリーナ構想と地域共創

茨城県内では、プロスポーツの発展をさらに加速させるための「新アリーナ構想」も議論されています。もし、ロボッツのホームアリーナとなる新たな施設が建設されれば、それはチームにとって大きな追い風となるだけでなく、茨城県全体のスポーツツーリズムや地域経済にも大きな影響を与えることになります。

新アリーナは、単なる試合会場としてだけでなく、地域の交流拠点、イベントスペース、そして文化発信の場として機能することが期待されます。茨城ロボッツは、この構想においても積極的な役割を担い、地域と共に未来を創造していくことを目指しています。

地域スポーツの象徴としての役割

茨城ロボッツは、茨城県唯一のBリーグクラブとして、地域スポーツの象徴的な存在です。プロバスケットボールチームが存在することで、子供たちは夢を持ち、地域の人々は一体感を感じることができます。チームはこれからも、地域社会と共に歩み、茨城県民の誇りであり続けることを目指します。

バスケットボールというスポーツの持つ力、そしてプロクラブが地域に与える影響力を最大限に活かし、茨城県の魅力を全国、そして世界に発信していくこと。それが茨城ロボッツに課せられた重要な使命であり、未来への大きな展望です。

茨城ロボッツは、多くの人々の情熱と努力によって成長を遂げてきたチームです。その歴史は、常に挑戦と地域貢献の精神に満ち溢れています。これからも、茨城県の未来を創造する存在として、Bリーグの舞台で躍動し続けることでしょう。「MAKE THE FUTURE. いばらきの未来を創る。」というミッションを胸に、茨城ロボッツの挑戦は続いていきます。