広島ドラゴンフライズとは?

広島ドラゴンフライズは、広島県広島市をホームタウンとするプロバスケットボールチームです。B.LEAGUE(Bリーグ)のB1リーグに所属し、瀬戸内海を望む広島の地で、熱いバスケットボールを展開しています。地域に根差し、ファンと共に成長するチームとして、その歴史と未来に大きな期待が寄せられています。本記事では、広島ドラゴンフライズの設立から現在、そして未来への展望までを詳しく解説します。

広島ドラゴンフライズの歴史と発展

広島ドラゴンフライズは、2013年7月11日に設立されました。チーム名の「ドラゴンフライズ」は英語で「トンボ」を意味し、勝利を呼ぶ「勝ち虫」として縁起が良く、強く、早く、正確な動きで相手を翻弄するプレースタイルを目指すという思いが込められています。広島のシンボルである平和公園の原爆の子の像に捧げられた千羽鶴に由来する「七色」がチームカラーに取り入れられており、地域への深い敬意が示されています。

チーム創設からB.LEAGUE参入まで

チームはNBL(ナショナル・バスケットボール・リーグ)の2014-15シーズンからリーグ戦に参加。NBLでは初年度からプレーオフに進出するなど、新設チームながら存在感を示しました。しかし、NBLとbjリーグの統合による新リーグ「B.LEAGUE」の発足に伴い、2016-17シーズンからはB2リーグに所属することになります。

B2リーグでは、B1昇格を目指し熾烈な戦いを繰り広げました。多くの外国人選手や実績のある日本人選手を補強しながら、チームは着実に力をつけていきました。特に2019-20シーズンは、新型コロナウイルス感染症の影響でシーズン途中でリーグ戦が打ち切りとなりましたが、その時点での西地区1位の成績が評価され、念願のB1リーグ昇格を果たしました。これはチームにとって大きな転換点となり、広島のバスケットボールファンに大きな喜びをもたらしました。

B1昇格、そして未来へ

2020-21シーズンからB1リーグに参戦した広島ドラゴンフライズは、B1の厳しいレベルを痛感するシーズンとなりました。初年度はなかなか勝利を挙げられず、下位に低迷。しかし、B1の舞台で戦い続ける中で、チームは課題を明確にし、着実に成長を遂げていきます。選手補強や戦術の見直しを図りながら、少しずつB1の舞台にアジャストしていきました。

ホームアリーナは主に広島サンプラザホールですが、近年はより多くのファンを収容できる広島グリーンアリーナ(ひろぎんホールディングスPresents広島県立総合体育館)でもホームゲームを開催。2023-24シーズンにはB1リーグで初のチャンピオンシップ出場を決定するなど、チームは着実にステップアップを続けています。将来的に広島県立体育館の建て替えによる新アリーナ構想も具体化しており、より快適で大規模なアリーナでの試合開催が期待されています。これはチームの更なる成長と、地域経済への貢献に繋がる重要なプロジェクトです。

チームを支える選手たちとプレースタイル

広島ドラゴンフライズは、個性豊かな選手たちと、アグレッシブなプレースタイルが魅力です。国内外から集まった才能が融合し、チームとしての一体感を生み出しています。

過去・現在の主要選手

広島ドラゴンフライズの歴史は、多くの選手たちの献身によって築かれてきました。特にB1昇格以降は、高いレベルでの戦いを経験し、チームの顔となる選手が次々と現れています。

チームのプレースタイルと戦術

広島ドラゴンフライズのプレースタイルは、シーズンやヘッドコーチによって進化を遂げていますが、一貫してディフェンスを重視し、アグレッシブなプレーを信条としています。特にカイル・ミリングヘッドコーチが就任してからは、組織的なディフェンスと、それを起点とした速い展開のオフェンスが特徴となっています。

具体的には、相手チームの得意な攻撃を封じるための周到なスカウティングと、それに基づいた緻密なディフェンス戦略が練られます。ハーフコートでは粘り強いマンツーマンディフェンスを展開し、相手に簡単にシュートを打たせないようプレッシャーをかけ続けます。また、スティールやリバウンドから素早くボールを運び、トランジションオフェンスへと繋げることで、相手を翻弄するエネルギッシュなバスケットボールを展開します。

オフェンスでは、特定の選手に依存するだけでなく、ボールと人の動きを重視し、オープンなシュートチャンスを作り出すことを目指します。外国籍選手のインサイドでの得点力と、日本人選手の正確なアウトサイドシュートやドライブが融合することで、多彩な攻撃パターンを生み出しています。ヘッドコーチの哲学は、個々の能力を最大限に引き出しつつ、チーム全体として機能することに重きを置いており、選手たちは常に高い意識を持ってプレーに取り組んでいます。

地域との結びつきとファンベース

広島ドラゴンフライズは、単なるプロバスケットボールチームではなく、広島の地域社会に深く根差し、多岐にわたる活動を通じて地域貢献に努めています。チームと地域、そしてブースター(ファン)との強い結びつきが、チームの大きな強みとなっています。

地域貢献活動(CSR)

チームは、「バスケで広島を熱くする」というミッションのもと、様々な地域貢献活動を展開しています。これは、地域の人々にバスケットボールの楽しさを伝えるとともに、健康増進や青少年の健全育成に寄与することを目的としています。

熱狂的なブースター(ファン)文化

広島ドラゴンフライズは、熱心で温かいブースターに支えられています。ホームゲームでは、会場全体がチームカラーの赤色に染まり、選手たちを鼓舞する大きな声援や手拍子が響き渡ります。

ブースターは、単に応援するだけでなく、チームの活動にも積極的に参加します。ファンクラブのメンバーは、限定イベントへの参加や選手との交流機会を得ることで、チームへの愛着を一層深めています。SNSなどでも活発な情報交換が行われ、チームへの期待や応援メッセージが常に飛び交っています。このような熱狂的なファンベースは、選手たちにとって大きなモチベーションの源となり、ホームゲームでの勝利を後押ししています。

マスコットキャラクターの「モヒカンアフロ」も、チームとブースターを結ぶ重要な存在です。そのユニークな見た目とコミカルな動きで、子供から大人まで幅広い世代に愛されており、ホームゲームを盛り上げる立役者となっています。チームロゴにもあしらわれたトンボのイメージと、広島の平和への願いが込められた七色のデザインも、ブースターに親しまれています。

広島ドラゴンフライズの未来と展望

広島ドラゴンフライズは、B1リーグでの地位を確立し、さらなる高みを目指しています。地域社会との連携を深めながら、日本バスケットボール界における存在感を一層強めていくことが期待されています。

B.LEAGUEでのさらなる飛躍

チームの短期的な目標は、B1リーグで常に上位争いに加わり、チャンピオンシップの常連となることです。2023-24シーズンで初のCS出場を決めたことは大きな一歩であり、この経験を糧に、将来的にはBリーグチャンピオンの座を狙うチームへと成長することを目指しています。そのためには、継続的なチーム強化、国内外の優秀な選手の獲得、そして若手選手の育成が不可欠です。

また、日本代表選手を輩出することも重要な目標の一つです。チーム所属選手が日本代表として国際舞台で活躍することは、チームのブランド価値を高めるだけでなく、広島の子供たちに大きな夢と希望を与えることにも繋がります。

新アリーナ構想と地域経済への貢献

現在、広島県立体育館の建て替えによって新アリーナが建設される構想が進められています。この新アリーナは、広島ドラゴンフライズのホームアリーナとなる予定であり、チームの未来を左右する重要なプロジェクトです。最新設備を備えた快適なアリーナが完成すれば、より多くの観客を収容できるようになり、試合観戦の体験価値が大幅に向上するでしょう。

新アリーナは、バスケットボールだけでなく、様々なスポーツイベントやコンサート、地域イベントにも活用され、広島の新たなランドマークとなることが期待されています。これにより、スポーツツーリズムの推進や地域経済の活性化にも大きく貢献するでしょう。チームは、この新アリーナを拠点として、地域と共に成長し、広島を「バスケットボールの街」として世界に発信していくことを目指しています。

バスケットボール界への影響

広島ドラゴンフライズは、その成長を通じて、日本バスケットボール界全体にも影響を与え続けています。Bリーグの発展において、地方に根ざしたチームが着実に力をつけ、全国区の強豪と渡り合う姿は、他の地域チームにも勇気を与えます。また、地域と密着した運営モデルや、ファンを巻き込むマーケティング戦略は、リーグ全体の模範となる可能性を秘めています。

「バスケで広島を熱くする」というスローガンのもと、広島ドラゴンフライズはこれからも挑戦を続けます。勝利を目指すだけでなく、地域社会に貢献し、多くの人々に感動と喜びを届ける存在として、その歩みは未来へと繋がっています。

広島ドラゴンフライズは、設立からわずか数年でB1リーグに昇格し、今やリーグ屈指の熱いブースターに支えられ、チャンピオンシップ出場を果たすまでに成長しました。その道のりは決して平坦ではありませんでしたが、選手、スタッフ、そしてブースターが一丸となって困難を乗り越えてきました。これからも広島ドラゴンフライズは、バスケットボールを通じて広島を元気にし、日本バスケットボール界の発展に貢献していくことでしょう。広島の空を舞うトンボのように、力強く、そしてしなやかに未来へと羽ばたき続けます。